【楽曲解説】「風の歌を聴こう」バンドサウンドを自宅で

楽曲解説 -AmnesiaS46-

今回は、どんな機材を使って僕がひとつの曲を作り上げたのか、詳しく説明してみたいと思います。

今回取り上げる曲はファースト・シングルの「風の歌を聴こう
ギター、ベース、ドラム、キーボード、と典型的なバンドサウンドです。
本来ならスタジオで実際にアンプを鳴らしてレコーディングするものですが、それを部屋から一歩も出ずに作っています。

DAWソフトとオーディオ・インターフェース

まずは、基本的な機材構成。

DAWソフト:Studio one
インターフェース:Roland Rubix22

メインのPCはウインドウズで、ボーカル録りなどで部屋から移動する場合はMacBook Proを使っています。どちらにも Studio one がインストールされています。

それでは、ここから個別に詳しく解説します。

ドラム

ドラマーがいないので、リズムはMIDIによる打ち込みです。オーディオデータと違って、MIDIだと後から細かいところまで修正できるので気に入っています。

ソフトドラム音源:EZ DRUMMER 2
ドラムキット:Nashville
MIDIグルーブ:Monster MIDI Pack - Sticks - Straight4/4 - Song02
                 EZX Vintage Rock - Standard Temp - Funnky - Disco
                                      - Midium Temp - Funnky - Disco

僕が使っているドラム音源のTOONTRACK社製のEZ DRUMMER 2 はリーズナブルで操作が簡単なのでおススメです。2の前身の1から使っています。

上記のMIDIグルーブを組み合わせて、それを元に曲に合わせてMIDIデータを細かく修正します。
(例えば、ハイハットをオープンに変えたり、シンバルを追加したり)
最近のTOONTRACKのMIDIグルーブ集はバースやコーラスごとにフィル付きで整理されているので、それを選んで並べるだけでざっくりとリズムトラックが作れます。

作ったMIDIは、キックやスネアごとにばらしてオーディオ化してEQで音を調整してあります。スネアの音がちょっとイメージと違ったので、別のスネアの音を少し付け足して重ねてあります。

ベース

プレシジョンベースで弾いたものをライン録りして、それをもとに好みの音に調整しています。

アンプ・シュミレーター:AmpliTube4 - AmpliTube SVX - Basic SVX-500
プラグイン:Waves MaxxBass, Waves Renaissance Bass

シュミレーターは老舗のベースアンプであるアンペグをモデリングしたものです。実際のアンプで鳴らしたような音に加工してくれます。
その音にWavesのプラグインで倍音を増やしたり、コンプをかけました。
もちろん、EQでドラムのキックと被る低音はばっさりカットしてあります。

ギター

本来ならエレキギターはスタジオでアンプから出した音をマイクで録る方が迫力があるのですが、僕は割り切ってフェンダーのテレキャスターで弾いたものをライン録りして、PC上でアンプ・シュミレーターをかましてあります。
このメリットは、あとからいくらでも好みのギターアンプ、エフェクターに変更できる点にあります。
アコースティックギターはフルアコースティックを弾いたものをマイク録りです。

アンプ・シュミレーター:Guiter Rig 5
プラグイン:Waves Renaissance Axx

Guiter Rig は僕が一番よく使うアンプ・シュミレーター。豊富なプリセットからイメージのものを選んでから、微調整でミドルやトレブルを調整します。

Wavesの Renaissance Axx は操作がとても簡単なコンプレッサーです。圧縮量をスライダーで上下に動かすだけです。ほかにEQで低音を削ったり、ボーカルと重なる音域を少し下げてメインのボーカルの音の通りを良くしたりします。

アコギの録音はコンデンサーマイクを2本使って、1本は楽器寄り、もう1本は少し離して空間を録るようにするのが理想ですが、今回はSHURE SM58 という定番のダイナミックマイク1本で録音しました。

キーボード(シンセ)

シンセは2つの音を重ねてあります。

KORG M1 - WoodWinds1
Presence - Bobo Pad

メインのリードはコルグの音源で、風をイメージさせるもの。それに軽く別のシンセの音を重ねることでオリジナルの音色にしてあります。上記のプリセットが元になっています。

Presence はStudio One に付属しているシンセです。

ボーカル

歌入れは自宅の浴室前をボーカルブースに見立てて録音しました。何十テイクも録ったものを編集して、ピッチ補正ソフトで微調整してあります。

マイク:SHURE SM58 
ピッチ補正ソフト:Melodyne assistant 5

Celemony社のMelodyneは、DAWソフトのStudio One と親和性が高く使いやすいです。

マキシマイザー

マスタートラックの最後にはマキシマイザーをかけて、楽曲の音圧を最適化しています。

Waves L2, Waves L3

マキシマイザーは二段(2つ)かけてあります。それぞれ-3dBほど圧縮して、二つ目のL3のOut Cellingはクリッピングを避けるために(最終的なピークが0を超えないように)-0.3dB下げてあります。以前は-0.1dBでミックスしていましたが、0dBを超えることがあったので余裕を持たせています。

まとめと補足

以上、ざっくりとでしたが使用機材の紹介になります。基本的にこのようなやり方で曲を作っています。何かの参考になれば幸いです。

補足として、プラグインは主に Waves を使っていますが、DAWソフトに付属しているコンプレッサーやEQでもかなり使えると思います。
また、ドラムは予めできているオーディオループを使えば、もっと簡単に作れるはずです。無料のものも沢山あります。

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